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てんかん、糖質、脂質、マグネシウム
2013年11月15日 (金) | 編集 |





兵庫県尼崎市で
あい動物病院の院長として腕をふるわれる、
池上裕先生の記事がとても参考になりますので
転載させていただきます。

   てんかんなんかじゃないぞっ2


糖質について

最近、何かと甘いものは
ワンちゃんに与えてはいけないと言う話を良く耳にするのですが、
実はこれは、科学的根拠の無い話です。
したがって、ワンちゃんたちに甘いものを与えることを、
なんらためらう必要は無いのです。 それどころか、実は
てんかんのあるワンちゃん達には、糖分を十分に与えておかなければいけない
のです。 ですから、日頃のケアーの第一番目として、
まず糖質を十分に与えておく事が大切です。

糖質とは、分解されて糖をつくり出す物の総称です。
なぜ、糖質を与えなければならないのでしょうか?

実は、脳は、エネルギーを供給する栄養素として、糖しか受け入れないのです。
糖はエネルギーに変換される時に、何一つ、老廃物を残さない、クリーンなエネルギー源なのです。

一方、糖以外の物、例えばタンパク質や脂肪をエネルギーに変えようとすると、
たくさんの老廃物が出てきてしまいます。

それらの老廃物は、脳にとっては非常に毒性が強く、
障害を引き起こし後遺症を残す原因となります。

従って、このような事を起こさない為にも、脳は日頃からエネルギー源として
糖以外のものを受け入れようとはしないのです。

ところが、いざてんかん発作となると、脳には過大な仕事が課されるため、
糖分の補給が追いつかなくなることがあります。

てんかん発作の最中に、糖分の供給が途絶えてしまうと、
脳は近くにある脂肪やタンパク質をエネルギーに変えて活動を維持しようとします。

この動きによって、脳の中には急速に老廃物が溜まってきます。
脳には日頃から、外で作られたこの老廃物を脳の中に入れないための
障壁(血液脳関門)が働いています。

しかし、重篤な発作のときには、脳の中で発生した老廃物が、
逆にその障壁を越えて外に出ることが出来ない為に、
重大な障害や後遺症をもたらします。

この現象は最悪の場合、ワンちゃんを死に至らしめます。
しかし、逆にどんなに重篤な発作のときでも、
糖分の供給を十分に続けることが出来れば、障害も後遺症も無く、命も助かるのです。

ですから、日頃から糖分を十分に蓄えさせておく事が大切なのです。


糖質の補給源としては、純粋に人が食べている甘いもの
(大量のチョコレートは除く)の他、米やパン、イモ等の、でんぷん質が有効
です。

もし、ワンちゃんにドッグフード以外の食べ物を与えるのに抵抗のある方がおられたら、まずはこちらをご覧になって下さい。



脂質について


次に大切なのは、脂質です。
とかく何かと嫌われ者の脂質ですが、
神経疾患のワンちゃんには、極めて大切な栄養素です。

中でもコレステロールは少なければ少ないほど健康であるかのような誤解
を受けていますが、実は体の中で一番たくさんコレステロールを持っている臓器は、
脳なのです。

言い換えると、脳はコレステロールに依存しているわけですから、
脳の働きを健全に保つ為にはコレステロールの補給を十分に行う必要があるのです。

また、最近話題のセラミドという物質は、神経細胞でも大切な働きを
していることが分かってきていますが、このセラミドには、常に脂肪酸が結合しています。

また、頭が良くなる栄養素として有名なDHAやEPAも脂肪酸の仲間ですから、
脂肪が脳にとってどれほど大切な栄養素であるか、お分かり頂けるのではないでしょうか。

てんかんのワンちゃんは、脳の一部に機能的な障害が有る訳ですから、
その機能を回復させる為に、
脳の基本構造を支える脂肪を十分に与えることは、計り知れないメリットをもたらすのです。
それでもまだ、油分を与えることに抵抗のある方は、「食事について」をお読みください。
本当に与えてはいけない油と、与えるべき油が入れ替わっていることがお分かりいただけると思います。

今、ワンちゃんの飼い方を解説する本などには、
余分な油分を与える事はいけないことのように書かれていますが、
実は、その事がかえって、神経系の障害を持つワンちゃんの機能回復に歯止めを掛けているのです。


マグネシウム


ワンちゃん猫ちゃんのフードの世界では、ほとんど悪者扱いのマグネシウムですが、
神経の病気を考えるときには欠かすことの出来ない栄養素です。

殆どの人にとって、マグネシウムといって思い浮かぶのは、尿路結石症ではないでしょうか?

かつては、食餌に入っているマグネシウムの量が不適切であることが原因で
マグネシウム結石が発生すると言われてきました。

残念ながら今でもその風潮は改まる事なく、広く一般には信じられています。

しかし、今ではワンちゃんの尿路結石症の殆どは、尿路感染症によって起こると考えられています。
最先端の研究者達の間で、食餌中のマグネシウムの量が原因で
尿路結石が出来ると考える人は殆どいなくなっています。

一方、基礎研究の現場では、多くの成人病がマグネシウムの摂取不足からきている
のではないかと考えられています。

このように、実はマグネシウムというのは、体にとって非常に重要なミネラルなのです。

大動物(牛や馬など)では、マグネシウムの不足が、
「グラステタニー」と言う痙攣発作の原因になることが古くから知られています。
現在のところ、マグネシウムの不足が犬猫にそのような発作を起こすという事は
証明されていませんが、可能性は有ります。

実際、私の病院では、マグネシウムだけを投与して、
発作が消失した症例は数え切れません


マグネシウムを制限することに何の意味も無くなった現在では、少なくとも、
てんかんのあるワンちゃんには、十分なマグネシウムの補給
しておくべきだと私は考えています。

家庭で利用できるマグネシウムの補給源としては、魚介類や海産物などが有効です。

ひと頃流行った「にがり」なども、とても役に立ちます。

にがりを与える時には、下痢をしないように注意が必要です。
マグネシウムはしばしば下剤としても利用されているミネラルですから、
与えすぎると簡単に下痢をしてしまいます。


   てんかんなんかじゃないぞっ6


HPはこちらですhttp://www.k5.dion.ne.jp/~ai.a.hsp/index.htm

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